紫しぶき

 中音でのアダナのつけ方の一つに、合宿における投票制度があります。

 ある時、例によって、誰かが戒名の候補を読み上げているとき、「むらさきしきぶ」を「むらさきシブキ」と読んでしまい爆笑になったそうです。紫式部じゃおそれ多いので、ムラサキシブキを戒名にしていただくことにした、と本人から伺いました。

 某大手コンピューター会社にお勤めです。

 降ったり湧いたりしていつのまにか山のように貯まってしまう中音の楽譜を、きちんと整理・管理して、先生やみんなが困らないように面倒を見てくれます。毎週練習会場に早く来て、椅子を並べ替え、エアコンその他をしかるべく準備してくださっているのもシブキさんです。

 寒くなると銀色の毛皮のコートをお召しになります。女性たちは、そっとそのコートに触ってなでています。

(Uzuteki@1999.10)